気軽に作れる精進料理本。マクロビアンにもオススメです。おすすめ度
★★★★★
本格的に穀物菜食の勉強を始めたら、そのメニューや料理の仕方の数々に精進料理の影響を大きく見ました。古来から伝わる伝統食として改めて見直してみると不思議ではないのですが、マクロビオティックを知ることによって本格的に料理に向き合うようになった私には種明かしをされた気分になった本でした。
関東の精進料理なので関西とはまたちがった味で、宗哲和尚さんは素材の持ち味を最大限に引き出すために砂糖は使用していません(デザートには主にフルーツ、その味付けや風味付けにはちみつや黒砂糖が使われています)。調味料で多用されているのは醤油、酒、みりん、塩、酢、それからごまです。
マクロビアンがこの本の料理を日常的に楽しむにはみりんを外したり、すし飯はマクロ仕様にしたりとあれこれ工夫が必要になりますが、それでも利用価値は高くなると思われます。精進料理なので、言うまでもなく動物性は一切使われていません。乾物の使い方なども非常に参考になります。普通食のお客様があるときにはこのまま作ってお出ししたら粋なお料理で喜ばれるかと思います。
宗哲和尚さんのお料理本は他にもいろいろ出ていますが、「魂の食:ソウル・フード」という料理本と、この本のレシピはかなりかぶっています。前著をお持ちの方はこの点を考慮のうえ、購入されることをお勧めいたします。巻末に精進料理についての著者による簡単な解説つきです(調理の五法や五色盛り、五味についてや、精進料理の成り立ちや特色について仏教の教えなどを用いて敷衍されているところも面白かったです)。
概要
家庭で簡単に作れる鎌倉不識庵のとっておき128品。
内容(「MARC」データベースより)
精進料理の第一人者が、旬の野菜を中心に、天地を丸ごといただくとっておきのレシピを盛り沢山に紹介。家庭でおいしく簡単に作るための、和尚の知恵とアイデアが満載です。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤井 宗哲
1941年、大阪生まれ。京都仏教大学中退後、埼玉県平林寺僧堂、和歌山県興国寺、神奈川県建長寺で修行し、その間、典座(台所役)を務める。のちに角川書店で、古典落語『三遊亭円朝全集』の編纂に携わる。現在、鎌倉の不識庵にて、精進料理塾「禅味会」を主宰
藤井 まり
1947年、北海道生まれ。早稲田大学卒業。夫である藤井宗哲と共に、精進料理塾「禅味会」の指導にあたる。1992年の北京留学以後、中国の精進料理、薬膳を研究。「食と心の問題」をライフワークとし、各地で講師を務めるなど、精進料理のすばらしさを広めている