「タナトス」の文学『平家物語』おすすめ度
★★★★★
『源氏物語』を「エロス」の文学とすれば、『平家物語』は「タナトス」の文学であると位置づけ、登場人物らの死を描いた部分に光を当ててそこからそれぞれの生き方を読み解く手法がとられている。これによって、平家の公達やそれに連なる女性たちの生涯がひとりの人間としての生き方として生き生きと浮かび上がって来る。そこには時代を超えて限りある世を生きる人間としての哀しみがストレートに伝わって来る1冊である。
概要
全てが「死」に収束していくこの物語の主要登場人物を、その死の時点から逆照して考える。勇壮な死から不様な死まで様々な最期を見ていく時、現代人にも死に心の工夫を巡らすヒントを与えてくれる。
内容(「BOOK」データベースより)
『平家物語』は平家滅亡の物語であり、平家一門の「死に様」の物語ともいえる。清盛の地獄の死、宗盛の愚かしくも人間的な死、知盛の剛毅で潔い死、建礼門院のありがたい死…。著者は、この『平家物語』を空前絶後の「死(タナトス)」の大文学としてとらえ、その主要な登場人物11人の様々な最期から逆照した彼らの生きかたを「死への道筋」と見ることで、新しい面白さを発見していく。そして、私たち現代人にも、避け得ない「死」と向き合うための心の工夫のヒントを与えてくれるのである。