安野先生と言えばヨーロッパの風景と思いがちですが、平家物語の場面を丁寧にたっぷり見せてくれるすばらしい絵本。絵本といってしまうには惜しいような豪華な一冊です。洋物はどうも、と思っていらっしゃる年配の方にもプレゼントすれば喜ばれると思います。絵本とありますが、文章も素敵です。私は宝物にしています。
水に流される物語おすすめ度
★★★★★
安野氏といえばヨーロッパの町並みや風景の絵が有名な画家なので、日本の古典の絵?とはじめは思ったが、平家物語の諸行無常という世界観と安野氏独特の構図(大きな自然に翻弄されているようにも見える小さな人物達)が非常にあっている。この本は間違いなく傑作だと思う。特に水の表現がすばらしい。あるときは静かに、あるときは嵐の波など刻一刻と変化する水が登場人物たちの心の動きまでも表現しているように思う。絵を勉強している人などにはぜひすすめたい。
この本を読んで平家物語とは水に流される物語であったんだなあと改めて感じた。平家一族だけでなく、水に流される人々が実にたくさん登場する。平家を滅ぼした義経でさえも嵐の海に翻弄される。
私は原文は読んだことが無いのだが挑戦し!てみたくなった。
概要
“祇園精舎”より“女院死去”まで精密な絹絵と書き下ろしの文章で織りなす
祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)
祇王(ぎおう)
鹿谷(ししのたに)
御輿振(みこしぶり)
徳大寺之沙汰(とくだいじのさた)
有王(ありおう)
など、79場面・143章段を収載。
安野光雅が描く勇壮で気品高い『平家物語』
戦記文学の古典・平家物語全12巻の名場面を79枚の流麗な絹絵に描下ろした安野光雅のライフワーク。画家がまとめた読み易い文章と共に甦る現代版平家物語絵巻。
内容(「MARC」データベースより)
平家物語の名シーンを題に描かれた淡い彩りの163枚の絹絵と、平家物語各巻のあらすじとで綴り上げた、現代版・平家物語絵巻。祇園精舎より女院死去まで。講談社の月刊誌『本』連載の絵をまとめたもの。
著者紹介
1926年、島根県津和野に生まれる。1974年度芸術選奨文部大臣新人賞、ブルックリン美術館賞(アメリカ)、BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、ボローニア国際児童図書展グラフィック大賞(イタリア)、1984年国際アンデルセン賞、昭和63年紫綬褒章など、内外の数多くの賞を受賞。主な著書に、『ABCの本』『旅の絵本』(福音館書店)、『安野光雅の画集』『絵の絵本?・?』『読書画録』『黄金街道』『みちの辺の花』(講談社)、『算私語録』全3巻『イタリアの丘』(朝日新聞社)、『空想工房』『空想書房』(平凡社)、『安曇野』(文藝春秋)、『ZEROより愛をこめて』(暮しの手帖社)、『エブリシング』(青土社)、『安野光雅・文集』全6巻(筑摩書房)など。編者に、『燐寸文学全集』(筑摩書房)など。