戦場の教訓は現代のビジネスに活かせるおすすめ度
★★★★☆
源平合戦から得られる教訓を世界の戦史と比較しながら、著者独自の視線でシンプルに説明してくれています。少々、強引な解説もあるような気がしますが、この著者の解説から歴史小説では味わえない新しい発見がありました。
この本にある教訓は現代のビジネスにも相通じるところがあります。私は「ビジネス=戦争」だと認識していますので特にそう感じました。
「(戦闘指揮は)戦場と距離があり過ぎると、戦場判断が遅くなるのと同時に時間を要してしまう。」
「戦いに臨む場合の鉄則―敵にも必ず我が方を上回る知恵者がいる。」
などは現在のビジネスに活かせます。
源平合戦の概要を理解できるおすすめ度
★★★☆☆
源平で繰り広げられた合戦の勝敗の要因をわかりやすく分析している。一般に、一ノ谷や壇ノ浦といった合戦はメジャーだが、墨俣の合戦など
を取り上げた書籍は少ないのではないか。本書を読むと、義経以外の人々が何を考え、どのように戦場に赴き、そしてどのような合戦の結
果、どのような結果がもたらされたのかを理解することができる。
ただし、各合戦の解説にあたり、著者は他の様々な合戦を引用しているが、一部事実誤認と思われる箇所があった。また、その結論を下すに
は、若干情報が不足しているのではないか(一方的な判断ではないか)、と思うような箇所もあった。他の事例を取り上げるのであれば、
それらについても、十分な考察を行ってからにしてもらいたいと思う。
概要
石橋山の合戦から一ノ谷・屋島・壇ノ浦まで――源平争乱の主要な合戦を取り上げ、勝敗の分岐点を鋭く解き明かした歴史読み物の力作!
『平家物語』などの軍記物により後世に伝わった源平合戦は、ともすれば紋切り型の合戦譚と考えられがちだ。つまり勝者と敗者の差が戦う前から歴然であり、今さら検討しても新しい解釈は出ないだろうと見られてしまう。ところが実際に古戦場を歩き、複数の資料を比較しつつ考察すると、様々な「戦場の教訓」を見出すことができる。
たとえば、源頼朝の惨敗に終わる石橋山の合戦は、敗北後の勢力の再集結にこそ源氏方の真骨頂があった。また水鳥の羽音に驚いて平氏が敗走したという富士川の合戦は、じつは大軍を派した平氏方の「大戦略の欠如」にこそ真の敗因があった。さらに壇ノ浦の合戦において敗北寸前だった源氏方の逆転を許したのは、やはり平氏方が内包する問題点だったのだ。
本書は、保元・平治の乱から頼朝の奥州征伐までの源平争乱期の23の戦いについて、「勝者と敗者の方程式」というべき教訓・知恵をズバリ読み解いた好著である。文庫書き下ろし。
内容(「BOOK」データベースより)
『平家物語』などの軍記物により後世に伝わった源平合戦は、ともすれば紋切り型の合戦譚と考えられがちだ。だが、本当に平氏に勝ち目はなかったのか、また両者の明暗を分けたものは何かと検討していくと、新たな解釈や教訓を導き出すことができる。世界の戦史に詳しい著者ならではの視点で、23の合戦を選び、戦いの経過とその戦場における教訓をわかりやすく解説した好著。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
柘植 久慶
1942年、愛知県生まれ。1965年、慶応義塾大学法学部政治学科卒。在学中より、コンゴ動乱やアルジェリア戦争に参加。1970年代初頭よりアメリカ特殊部隊に加わり、ラオス内戦に従軍する。1986年より作家活動に入る。著書多数